噴火する富士山を恐れ、その霊を鎮めるためにまつられた神社
富士山本宮浅間大社は全国に1300社ある浅間神社の総本宮で、東海地方で最古の社。富士山信仰の中心地で、富士山を語るにはこの神社をなくして語れないとも言われている。御祭神は富士山と桜、日本の美を象徴する「水」の女神である木花之佐久夜毘売命 (このはなのさくやひめのみこと)。火山を象徴する富士山の「火」の神浅間大神(あさまのおおかみ)と同一神とされている。創建は2000年以上前の紀元前27年頃。噴火を繰り返す富士山の神霊「浅間大神」を鎮めるために、富士山麓にまつったのが起源とされている。この本宮のほか富士頂上には奥宮があり、富士山8号目以上は奥宮のご神域となる。
500本もの桜の木が奉納された境内は、美しい桜の名所。
神社建築では珍しい二階建ての浅間造りの社殿は、徳川家康が関が原の戦いに勝利して寄進したもの。全国の名だたる宮大工を集めて、造営させたと言われている。晴れた日には富士山を背に、素晴らしい景観が楽しめる。浅間大社のご神木は桜で、境内には約500の桜が植えられている。桜の開花は、御祭神「花之佐久夜毘売命」からのご加護そのもの。そのため、桜が見頃を迎える4月頭には桜花祭りが行われ、桜の開花を祝う。3月末から4月上旬ぐらいまでは、桜のライトアップがされるので、夜桜見学もおすすめだ。
富士登山前は、富士山御霊水で身を清めよう。
浅間大社を参拝したら、国の特別天然記念物に指定されている湧玉池へ。この池は、富士山の雪解け水が何層にもなった溶岩の間を通り、長い年月をかけて湧出してできたものだ。古くから富士山登山者は、この霊水で身を清めてから登山するならわしがある。池のそばには富士山御霊水をまつる水屋神社が。神社の左手には水汲み場があり、自由に水を汲む事ができる。この水は富士山の溶岩層を浸透しているので、バナジウムなどの天然ミネラルが豊富。平成の名水百選にも選ばれている。