いまも変わらぬ京都の代表的名所
794年、桓武天皇が平安京に遷都した際に創建されたとされる東寺。その後即位した嵯峨天皇により、唐で新しい仏教や密教を学んで帰国した空海に下賜された。こうして日本で初めての密教寺院が誕生。以後、真言密教の根本道場として栄え、いまも京都の代表的な名所として存続している。ここでは講堂、金堂、五重塔が必見だ。 1200年以上の歴史を誇る東寺でまず見学したいのが、東寺の中心であり密教の中心的建物である「講堂」だ。ここで空海は人生の全てを注ぎ、密教という教えを世に伝えようとしたといわれている。その教えを視覚的に表現したのが「立体曼荼羅」。密教の教えをわかりやすく表現した曼荼羅を、よりリアルに伝えるため空海により具現化された。宇宙を象徴する大日如来を中心に、21体の仏像が鎮座する姿は大迫力。これらの仏像は密教彫刻の代表作であり、壮観というよりも別の世界に引き込まれるような力がある。この不思議な感覚は、他ではなかなか体感できない。 この南側にある「金堂」もぜひ立ち寄りたい。796年に創建された建物は1486年に焼失。現存する金堂は、豊臣秀頼が1603年に完成した建物といわれている。東大寺大仏殿などでも見られる屋根の中央の切り上げなど、ダイナミックな建築様式に目を奪われることだろう。金堂内部も見学拝観可能だ。
京都のランドマーク「五重塔」
京都のランドマークともいわれる「五重塔」も間近で拝みたい。塔の高さは約55m。現存する木造の古塔では日本一高いといわれている。その内部には、極彩色で彩られた密教空間が。普段は非公開だが、1月1日から5日までと、春と秋の宝物館特別公開の時期に合わせて塔初重内部が公開される。 運良く21日に参拝することができるなら、縁日「弘法さん」に遭遇できるだろう。門前一帯から境内まで、約1,000軒もの露天が並ぶ。植木、骨董、古道具、日用雑貨、古切手、漢方薬、タコ焼きなど、様々なものがごちゃごちゃと並ぶ様子は見ているだけでも楽しい。