8年の年月を費やして描かれた狩野探幽の「雲龍図」
1337年に花園法皇が自らの離宮を禅寺に改め、関山慧玄が開山としたのが始まり。全国に3400の寺院を持つ臨済宗妙心寺派の総本山。広大な境内には46の塔頭寺院があり、多くの重要文化財や名勝指定の庭園が存在する。境内で唯一の朱塗りの「三門」や、法堂の天井には8年の年月を費やして描かれた狩野探幽の筆による直径12メートルの「雲龍図」、698年に作られた現存する日本最古の鐘「黄鐘調(おうじきちょう)」、明智光秀を供養するために建てられた「浴室」などたくさんの見どころがある。
明智光秀を供養するために建てた400年以上前の浴室
1587年に明智光秀の叔父にあたる僧侶が明智光秀を供養するために建てた浴室で、明智風呂とも呼ばれる。現代の風呂とは異なる蒸し風呂で、大釜で湯を沸かし、浴室の床下に湯を流して床板の隙間からあがる湯気を利用し蒸し風呂として使用し、汗をかいたあとに洗い場で湯を流していた。風呂の準備ができたことを知らせる鐘も建立されていた。
見逃せない国宝の水墨画
通常公開されているのは「桂春院」「退蔵院」「大心院」の3つの寺院。特に、退蔵院には国宝の水墨画「瓢鮎図」、画家 狩野元信作庭の枯山水庭園「元信の庭」、3年の年月を費やして造園家の中根金作が作庭した「余香苑」があり、春には大きな枝垂桜、秋には紅葉が美しく、茶室から庭を眺めながらゆっくりとお抹茶とお菓子を頂ける。