伏見稲荷大社の象徴、朱色の鳥居と白い狐
1300年以上続く五穀豊穣の神様として信仰を集める稲荷神社。全国に30,000社以上ある稲荷神社の総本宮でもある。伏見稲荷大社の象徴は朱塗りの鳥居と白狐。鳥居や社殿の朱色は魔力に対抗する色ともされ、稲荷大神の豊穣を表す色とされている。また狐は稲荷大神の使いとされており、穀物を荒らすネズミを捕食すること、色や尻尾の形が実った稲穂に似ていることから、キツネが使いになったともいわれている。「楼門」の両側には魔除けとして一般的な狛犬の代わりに、伏見稲荷では一対の白狐が置かれている。
伏見稲荷の名所、千本鳥居
名所となっている「千本鳥居」ができたのは、江戸時代から、参拝した人の願い事が「通る」或いは「通った」御礼として、鳥居を奉納する習慣が広まったことによる。今では約1万基の鳥居が参道全体に並んでおり、現在でも鳥居奉納の信仰は続いている。農民にとっての五穀豊穣は、商人にとっての商売繁盛という考えから、江戸時代以降は商売繁盛の神様としても崇められた。境内は稲荷山にまで広がる約87万平方メートルもあり、一周するには2時間以上を要する。千本鳥居は、本殿からすぐの場所にある。そこからさらに山頂を目指して「四つ辻」までいくと、そこからの京都市内の眺望は見事で、茶店では休憩もできる。境内は24時間開放されているが、夜間の参拝は灯りが少なく石段も多いので昼間の参拝がお勧めだ。