穏やかさと荒々しさをあわせ持つ名瀑
茨城県から太平洋にそそぐ久慈川の支流、滝川にある袋田の滝。大きな岩壁が作り出した4つの段差をまるで糸をひくように流れ落ちるのが特徴だ。そこから別名“四度の滝”と呼ばれているが、一説には平安時代の伝説的歌人、西行法師が「この滝は四季に一度ずつ来てみなければ真の風趣は味わえない」と絶賛したからとも言われている。その美しさから日本3名瀑や日本の滝100選に選ばれている。滝のある大子町は山間にあることから冬は特に冷え込む。そのため滝を流れる川の水が凍結し真っ白になる“氷瀑”の姿を見ることができる。冬期にはイベントが開催され、滝のライトアップや観爆台の手前にある吊り橋のイルミネーションなど幻想的な冬の風景を映し出している。また、袋田の滝とその周辺は11月上旬から中旬は紅葉が見ごろ。秋には赤や黄色に色づいた木々が滝の素晴らしさを引き立ててくれる。観爆台への行き方は2つ。トンネルを抜けて観爆台へ向かうコースでいきなり滝が目の前にあらわれる感動を味わうのもよし、反対側の川岸の遊歩道からのアプローチで遠くから眺め、紅葉との組み合わせを楽しみながらゆっくり散策するのもいいだろう。袋田の滝を正面から眺めることができる観爆台のほか、裏側から2台のエレベーターで40mほど上った位置にある観爆台は袋田の滝の全景を上から見下ろすことができる。健脚ならば月折山ハイキングコースへ行くのもいい。歩き始めて20分ほどで登った人しか見られない袋田の滝の最上段を間近に見ることができる。