体力や時間に合わせた多様なルートで山頂を目指す
標高535m。頂上からの眺めはどこまでも広がる瀬戸内海や島々が見渡せる360度の大パノラマ。登山ルートは3つ。最短ルートの「紅葉谷コース」は初心者でも四季の彩を楽しみながら登れる定番コース。渓谷沿いにはモミジやカエデなどが多く生育し秋にはすばらしい彩を楽しめる。「大聖院コース」は古くからの石仏が残っており、展望の良い場所が多い。2000段の石段と、舗装された道路は下りに最適だ。最長ルートの「大元コース」は天然記念物に指定されている弥山原始林を歩くルート。森林が生い茂り、巨岩も多く神秘的な雰囲気を堪能しながら散策できる。登山の所要時間は片道1時間~2時間半。ロープウェイも設置されているので体力や時間に合わせて利用したい。
七不思議を探しながら楽しむ 神が宿る神秘の山には不思議な伝説がある。弥山の七不思議を探しながらの散策も面白い。山頂の霊火堂にあるのは1200年間、元火の消えない「きえずの火」。その向かいにある弥山本堂横の梅は弥山を開いた弘法大師(空海)の錫(しゃく)杖(じょう)(杖)が梅の木になったと言われている。本堂の裏側を下ったところにあるのは「曼荼羅(まんだら)岩」。巨大な岩盤で弘法大師が書かれたと言われる文字やイラストが刻まれている。「干満岩」は側面にある小さな穴の中の水が潮の満ち引きに合わせて上下すると言われる岩。標高500m地点にあり、塩分も含まれているとか。ほかにも人気のない深夜に聞こえる「拍子木の音」や現存はしていない「時雨(しぐれ)桜」、「龍(とう)燈(ろう)の杉」などがある。