ススキの黄金のじゅうたんは箱根の秋の風物詩
仙石原の台ヶ岳斜面にはススキ草原が一面に広がる。夏の終わりには穂先が黄色くなり始め、青々とした茎を持ったススキになる。晩秋にかけて一本一本が黄金色に変わり、太陽の光を受けて黄金色のじゅうたんを敷き詰めたような風景となる。ススキを堪能しながら一本道を歩いて登れば見渡す限りの黄金色の海のような景色。草原からは周囲の山々と湿原が調和した見事な風景を眺めることができる。 毎年恒例の「山焼き」が行われるのは3月中旬~下旬。火を入れることでススキ草原の植生と景観を維持している。地元の人たちおよそ200人が18ヘクタールの草原に火をつけ、勢いがついた炎は一気に草原を燃やし尽くす。焼かれたあとの草原は春の日差しを浴びて急激に暖められ、春の植物が白や紫色の花を咲かせ、ススキも芽吹く。
散策・ハイキングコースとしても人気
ススキ草原に隣接した17ヘクタールの湿原にはかつて、ハナショウブが一面に咲いていた。今は見られないが、すぐ近くの箱根湿生花園では湿原を再現。6月にはハナショウブが見ごろを迎える。芦ノ湖まで続く「仙石原・湖尻自然探勝歩道」は牧場の跡地。荒地を切りひらいて作られた高原はサイクリングロードとしても人気だ。