火山活動の迫力と富士山を望む絶景
活動を続ける箱根火山。大涌谷では、いまでも真っ白な噴煙が上がっている。地熱地帯である大涌谷は、火山活動を続ける箱根山に数多く点在する噴気地帯の中でも最大級の大きさである。江戸時代には地獄谷と呼ばれていたが、明治天皇の訪問を機に今の大涌谷へと名称が変更された。また、大涌谷は泉源地。ここの温泉水は箱根の各地へ供給されている。 大涌谷の魅力の一つは、美しい富士山を眺められる絶景スポットであること。箱根ロープウェイで冠ヶ岳の標高800メートル付近にある大涌谷に登れば、1年を通して四季折々の富士山の姿を見ることができる。
延命地蔵と黒たまご
大涌谷には、延命地蔵がある。これは今から1000年以上前に、弘法大師が大涌谷を訪れた際、その地獄のような景色を目の当たりにし、菩薩を一つ作り苦しむ人々のために祈願したことがはじまりとされている。現在は、延命、子育て祈願の地蔵として多くの人が訪れる。また、大涌谷の名物と知られるのが黒たまごである。これは、大涌谷の温泉池で茹でた後に、蒸気で蒸して作られたゆで卵。殻の表面は硫化水素の化学反応で真っ黒に染まっていることから、黒たまごと呼ばれている。この黒たまごを1つ食べると7年寿命が延びるといわれている。大涌谷に行った際には是非試したい。