江戸時代のままの姿が残された名城
1602年に加藤嘉明(かとうよしあき)によって築城が開始され、約25年かけて完成した四国最大の城郭。全国で12城しか現存しない江戸時代以前に建造された天守が残り、当時の姿をそのまま残す貴重な城で、21もの重要文化財を有する。「日本100名城」、「美しい日本の歴史的風土100選」、「トリップアドバイザー行ってよかった日本の城第2位」にも選出されている。本丸の標高は132mあり、姫路城の3倍の高さで最も高い位置にある城。さらに天守は30m高くそびえたち、松山市街を360度見渡せる眺めは絶景。眼下に広がる櫓群など近代城郭の完成度の高さを垣間みることができる。本丸へは徒歩、ロープウェイ、一人乗りリフトのいずれかで上がることができる。徒歩での登城は4ルートあるが、黒門口登城道が江戸時代の正規ルートとされ、途中、二之丸史跡庭園を見学することもでき、森の中の登城道は歴代の殿様も歩いた道で、江戸時代の舗装が残っている場所もある。
見応えのある石垣や工夫を凝らした展示
大天守は三重三階地下一階の層塔型天守で江戸時代最後の完全な城郭建築。堀之内の「登り石垣」は全国でも珍しい石垣で、山腹から侵入しようとする敵を阻止する目的で、ふもとの館と山頂の天守を山の斜面を登る2本の石垣で連結させた防備手法。また、本丸の高さ14mを超える屏風折の石垣は壮大で見応えあり。天守1階に、武将の甲冑(かっちゅう)を試着できるコーナーがあり、自由に写真撮影可能。武将気分を味わえる。1848年~1854年頃に修復工事の作業員が落書きしたと思われる墨の侍の似顔絵が発見されており、現在は天守閣内に展示されている。