四国三大祭りの一つである新居浜太鼓祭り
その歴史は古く定かではないが、1000年以上も前から五穀豊穣を願い神輿渡御が毎年秋に開催される。およそ100年前の明治時代頃から地域経済が発展するにつれて、太鼓台と呼ばれる山車(だし)の地域同士の対抗意識の高まりによって現在のように急速に巨大化し、金糸、銀糸で立体刺繍された豪華絢爛な太鼓台が使用されるようになった。新居浜市内で5つの地区に分かれ、総数51台の太鼓台が参加し、1台の重さは約3トン、高さ5.5m、長さ12mという巨大な山車である太鼓台の4本の棒を、総勢150人ほどの「かき夫」と呼ばれる男たちが支え担ぎ、市内を練り歩く。また、祭りを盛り上げる為に「鉢合わせ」が行われ、地区同士の話し合いや突発的に太鼓台同士をぶつけ合う事から、四国を代表する「男祭り」や「喧嘩祭り」とも呼ばれている。昔からの因縁対決などもあり、祭り期間中は愛媛県警の機動隊も投入されるほどだ。
祭りの最大の見どころ「かきくらべ」
複数の太鼓台が一箇所に集まり、山車のタイヤをはずして人力だけで動かす。太鼓に乗った指揮者の指示で、太鼓台を肩にかつぎ上げ、「差し上げ」と呼ばれる両手を伸ばして持ち上げる様を競い合う、まさしく男衆の力と技比べである。迫力あるかきくらべを安全に間近で見ることのできる一宮の杜ミュージアム(いっくうのもり)の有料指定席も毎年人気で、インターネットで事前購入できる。かきくらべは開催中3日間毎日行われており、特に最終日は男たちの熱い熱気が伝わる最大のクライマックスを迎える。