松方コレクションがもとになり美術館に
民間企業の社長、松方幸次郎さんは当時の人々が貧しい中を苦労してパリへ行き、やっとの思いで西洋美術に触れる現状を理解。多くの作品を日本に持ち帰ろうとしたことがきっかけ。戦後の紆余曲折はあったものの、フランスと「特別な美術館へ保管、展覧すること」を約束。西洋美術を扱う初の国立美術館が誕生した。
所蔵の中心はフランスを中心とした西ヨーロッパ作品
フランスを中心とした西ヨーロッパの作品が主。時代によりロシアや北アメリカも含まれる。特に松方氏はのちにフランスのロダン美術館館長となるレオンス・ベネディット氏にアドバイスを求めていたためロダンの作品が多いのも特徴。毎年9月に2日間行われる「ファン・デー」は入場無料。美術館を楽しんでもらおうと様々なイベントを企画している。12月の「美術館でクリスマス」ではコンサートやキリスト教にまつわる作品の解説などが行われる。
「ル・コルビュジエの建築と都市計画」に含まれる本館のデザイン フ
ランス政府が中心となり進めている「ル・コルビュジエの建築と都市計画」の中に彼の建築作品である西洋美術館本館が含まれている。世界各国に点在する彼の建築作品を世界遺産へ登録しようというもの。当時としてはユニークだった鉄筋コンクリートの建物だ。屋上庭園や“無限成長美術館”の考えのもと設計されている窓や展示室など建物にも注目したい。常設展示室で建築マップを無料配布している。