渋谷めぐりのスタート地点
若者の集う街、渋谷。その入り口の渋谷駅前にスクランブル交差点がある。目の前には大型液晶ビジョンがそびえ、止まることなく広告を流し続ける。周辺にはファッションビルやCDショップなど、若者文化を象徴する商業ビルディングが立ち並び、乱立するどぎつい色の看板の数々、常にどこかで流れ続ける流行歌やCM、そのすべてが一つの風景となり、渋谷を象徴している。
渋谷めぐりのスタート地点である渋谷駅前スクランブル交差点では、多い時には1回の青信号で3000人が渡るという。人の波、広告の嵐、喧騒、と、昼も夜も静まる事がない。
渋谷駅を背に、方々に伸びるストリートは、センター街、ファッションビル109、西武デパートがある、渋谷の人気ショッピングストリートにつながっている。そのため、週末には若者でごった返しになり、青信号に変わると一斉に大量の人が渡る風景が一日中見られる。
伝説の犬“ハチ”
しかし、そんな交差点の手前、小さくとも大切な渋谷のランドマークが駅前広場の片隅にたたずんでいる。伝説の犬“ハチ”の銅像だ。1925年、主人が外出先で死去したことを知らず、いつまでも主人の帰りを駅で待ち続けた忠犬ハチ。その姿は人々の心を打ち、死後も手厚く葬られ、1948年に銅像が建てられた。同年来日したヘレン・ケラーもこの像を訪れたという。その後、その話は日本(1987)とアメリカ(2008)で映画化されるほど、国境を越えて愛されている。
現在ハチの銅像は、人々の待ち合わせの場所として多くの若者が集まっている。常に人込みに埋もれているため、ハチの姿は見失いやすい。しかし、今でも同じ場所に立ち、変わり続ける渋谷の街を見守り続ける愛らしいランドマークだ。