渋谷センター街独特の風景そのものが東京観光のみどころ
JR渋谷駅の忠犬ハチ公が立つ駅前広場から、スクランブル交差点を臨むその一角にセンター街の入口はある。交差点の正面には大型街頭ビジョンの電子広告がそびえる。その脇を、西に向かって伸びる通りがある。それが「センター街」だ。その入り口にはアーチがかかっているのですぐにわかる。昔、川が流れていたこの場所に沿岸工事が進められ、1930年代ごろには飲食店街が立ちならぶ繁華街となった。1950年代には新宿に並ぶ歓楽街として発展し、やがて若者の出入りが多くなり、現在では飲食店、カラオケ、ファーストフードショップなどが通りに沿ってぎっしりとならぶ、中高生などの若年層もが集う通りになった。雑多で多種多様な店の数々、その看板が狭い通りにいくつも掲げられ、独特の風景を作っている。高級店はなく、若者の手に届く値段の衣類や靴、食べ物、娯楽施設がそろっているため、休日には中高生などでごった返し大変混雑する。また、人気店などでは、買い物のための長蛇の列ができる風景も。これらすべてが渋谷センター街独特の空気であり、この風景そのものが東京観光のみどころの一つになっている。 しかし、一時期は犯罪も多い通りとして問題になっていた。そのような街のあり方を危惧し、不良少年が集まるセンター街の悪いイメージを払しょくするため、2011年センター街のメインストリートを改名した。クリーンなイメージで、若者に人気のスポーツから「バスケットボールストリート」と新たに名づけ、観光客や住人が安心して過ごせるよう、街の治安とクリーンアップ運動に力を注いでいる。