山深い場所に佇むかずら橋
日本の原風景が残る日本三大秘境のひとつとしても人気を集める、徳島県三好市にある祖谷。吉野川支流の祖谷川沿いの全長10kmにもおよぶ深いV字の祖谷渓谷が広がり、シラクチカズラという茎の直径が15cmにもなる植物で編まれた「祖谷のかずら橋」と並んで人気を集めるのが「奥祖谷二重かずら橋」。祖谷のかずら橋から車で約1時間山々の間を縫って走る国道をドライブしてやっと到着する秘境に佇む吊橋。
2本のかずら橋と人力ロープウェイ野猿を体験
約800年前、源平の戦いに敗れた平家一族が、剣山・平家の馬場での訓練に通うために架設されたと言われており、シラクチカズラを編み連ねて創られたかずら橋が2本並んで架かっているため、通称「男橋女橋」とも「夫婦橋」などとも呼ばれている。男橋は昔の生活道にかけられた橋を復元したもので、女橋は男橋よりも小さく、上流側にかけられている。このかずら橋で必ず体験したいのが「野猿」と呼ばれる人力で渓谷を渡るロープウェイ。女橋の横に架かっており、籠に乗り、手でロープをたぐり寄せながら進み渓谷を渡る、昔ながらの移動手段。眼下には透き通った水の祖谷川が流れ、周囲は青々とした原生林が広がり、秘境の雰囲気漂う美しい景色が見られる。
世界一のモノレールで森林浴も楽しもう
「祖谷のかずら橋」から「奥祖谷二重かずら橋」に向かう途中にあるいやしの温泉郷には、森の中を全長4600m、高低差590mの線路の上を65分かけてゆっくりと周遊する「奥祖谷観光周遊モノレール」がある。長さも高低差も世界一で、登山気分で森林浴を楽しむことができるのでぜひ立ち寄りたい。