巨大な奇岩と怪石が暴れ龍を思わせる渓谷美
鬼怒川温泉と川治温泉の中間に位置する峡谷。火山岩が約3kmにわたって浸食されてできた峡谷で、露出した険しい岩盤が暴れ龍を思わせる。龍王峡は大きく3つの区画に分けられる。上流の「紫龍峡」は火山活動の初期に流出した紫がかった岩が特徴。中流の「青龍峡」は火山灰が堆積し岩の色は青く変化する。下流の「白龍峡」は両岸の岩々が白い流紋岩で形成。変化に富んだ渓谷美は見る者を飽きさせない。
起伏の少ない遊歩道は散策にぴったり
龍王峡の入り口、白龍峡から川治温泉露天風呂までの全長6km、およそ3時間の自然探究路コースは起伏が少なく、新緑や紅葉の時期には多くの人が訪れる。最も人気の高いスポット「むささび橋」で折り返す1.5時間のコースから龍王峡を過ぎた川治温泉までの3時間コースまで4種類。体力や時間に合わせて散策したい。
点在する絶景スポット
コース南の入り口にある「虹見橋」は晴れた日に虹が見える「虹見の滝」、声に出して唱えた願いがかなう「五龍王神社」、そして荒々しい白龍峡が一度に望める美観スポット。日本画のような美しさに見とれてしまうほどだ。「むささび橋」は龍王峡一圧巻のパノラマ。ちょうど白龍峡と青龍峡の境目にあたり、上流と下流の変化に富んだ景色が見られる。ほかにも国の天然記念物“モリアオガエル”の生息地である「底なし沼」やくぼみにはまった岩が水にもまれて地盤を丸く削り取った「かめ穴」、ミズバショウの湿地帯など自然がつくる芸術作品を探しながら歩くのも楽しい。