日本の文化・芸術を一堂に鑑賞できる美術館
足立美術館は地元出身の実業家、足立(あだち)全康(ぜんこう)が1970年に開館。「大観美術館」と呼ばれるほど日本画の巨匠、横山(よこやま)大観(たいかん)の名作が多いのが特徴。有名な「紅葉」や「雨霽(あめは)る」を含む120点あまりを所蔵し、質量ともに非常に充実している。ほかにも名だたる近代日本画家の作品や、童画、陶芸、木彫なども収蔵。庭園の四季の変化に合わせ、年4回に分けて順次公開している。額縁代わりにした窓枠越しに庭園を見たり、床の間の壁がくり抜かれて外の庭園が見える「生の掛け軸」など“美に感動する”ことを伝えたいというこだわりが伝わってくる演出だ。
最大の魅力は5万坪におよぶ広大な日本庭園
全康は「庭園もまた、一幅の絵画である」と考え、自ら全国を回って石や松の木などを集めた。6つに分かれた庭園の中でも特に人気があるのは「枯山水庭」と「白砂(はくしゃ)青松庭(せいしょうてい)」。白い砂と力強い石組が趣のある「枯山水庭」はまるで水墨画の世界。流れるような白砂の景観が優美な「白砂青松庭」は横山大観の日本画「白砂青松」がモチーフ。白砂の上に配置された大小の松によってダイナミックに表現されており、見る者の心に深い感動を残してくれる。アメリカの日本庭園専門誌で1位を獲得したほか、旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では最高評価の3つ星を獲得。春のつつじ、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々のみごとな美しさは何度も訪れたくなる。