ユネスコの無形文化遺産の伝統芸能
文楽とは、能・狂言、歌舞伎と並ぶ日本を代表する伝統芸能。300年以上の歴史を誇り、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている人形劇だ。音楽的な曲節で劇曲的な内容を物語る「浄瑠璃」と、それを演奏する弦楽器の「三味線」によってストーリーが展開。人形は大きく精巧で、浄瑠璃と三味線に合わせてカラクリ仕掛けで喜怒哀楽を表現する。文楽が諸外国の人形劇と違うところは、人間の心の機微や情までもが描かれる本格的なドラマを演じることと、人形遣いの姿が堂々と観客の前に登場すること。三人がかりで一体の人形を動かす「三人遣い」は、世界的にも珍しいとされる。その文楽発祥の地とされる大阪道頓堀の近くにあるのが、国立文楽劇場だ。定期公演は年に4回。チケット予約は公演開始の約1カ月前からで、席によっては当日券もある。スケジュールは国立文楽劇場のホームページで閲覧可能だ。観劇の際は、英語のイヤフォンガイド(有料)を活用しよう。開演前は演目の説明が、上演中はリアルタイムでの解説が聞け、知識がなくても文楽を楽しむことができる。ひとつの公演が4時間前後になることが多いので、演目の間に必ず一度は30分程度の休憩がある。食事は開演前からお弁当・お茶などが販売されるので、事前に買っておくのもいい。1階にはレストラン「文楽茶寮」もあり、食事のほか抹茶や和菓子なども楽しめる。レストランを利用する場合は、開演前に予約をしておけばスムーズだ。
文楽について知りたいなら
定期公演期間ではないけれど、文楽に触れてみたい。そんな場合は、劇場1階の資料展示室へ。文楽の歴史に関連した書籍や年表などの展示もあり、文楽の魅力を知ることができる。おみやげは2階の「菓匠文楽」で。名物の「文楽せんべい」や、文楽に関連する書籍やCD、公演プログラムなどが揃う。他ではなかなか見つからない、珍しいおみやげを探している人にもおすすめだ。