沖縄戦での全戦没者に祈りをささげる場
第2次世界大戦で最後の激戦地となった沖縄。平和祈念公園のある摩文仁は沖縄戦終えんの地となった場所だ。園内は平和、霊域、平和式典、園路広場の4つのゾーンに分かれており、最も多くの観光客が訪れるのは平和ゾーン。国籍や軍民を問わず、沖縄戦における全戦没者24万人余りの氏名が刻まれている平和の礎や沖縄県平和祈念資料館、沖縄平和祈念堂などがある。
平和ゾーンにある「沖縄県平和祈念資料館」と「沖縄平和祈念堂」
昔の沖縄の集落をイメージして建てられた沖縄県平和祈念資料館。2階の常設展示では沖縄戦にいたる歴史や戦争での悲惨な状況を住民の貴重な証言によって理解することができる。1階は子ども・プロセス展示室。戦争や環境問題などを取り上げ、どうしたら解決できるかを考えるコーナーとなっている。園内にそびえる白い塔の建物は平和祈念堂。堂内に安置されている高さ約12m、幅約8mの平和祈念像は沖縄の人々、さらには全人類の平和のシンボルだ。
恒久平和を発信するさまざまなイベント
沖縄で組織的戦闘が終結したとされ、県民の休日となっている6月23日は「慰霊の日」。毎年、平和式典ゾーンで開かれる「沖縄全戦没者追悼式」では太平洋戦争・沖縄戦で犠牲となった霊を慰め、世界の恒久平和を願う。慰霊の日とその前日、年末年始には戦時中に軍事用だったサーチライトを平和の光の柱として天空に照射。5本の光は日本・アメリカ・イギリス・朝鮮半島・台湾の5か国の戦没者を表している。