戦争に巻き込まれた女学生
ひめゆりの塔と、隣接するひめゆり平和祈念資料館は沖縄本島南部、糸満市にある。ひめゆりの塔は、ひめゆり学徒隊の最後の地の1つである伊原第3外科壕の上に建てられた慰霊碑のこと。第2次世界大戦が終結した翌年にもっとも早く建てられた塔だ。ひめゆり学徒隊とは、看護要員として動員された沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の生徒222名と引率教師18名のことで、終戦間際の1945年6月18日に突然解散命令が出され、数日間に100名余りが命を落とした。
必ず見てほしい第2、第3、第4展示室
ひめゆり平和祈念資料館の館長は元ひめゆり学徒だった島袋さん。戦後長い間、あまりに辛くて話すことができなかった戦争のことを知らせなければいけないと、生き証人としてさまざまな形で教えてくれている。6つの展示室にはそれぞれのストーリーがあるが、なかでも第2、第3、第4展示室は時間がない人にも見てほしい。ひめゆり学徒が動員された病院壕を再現したジオラマを展示した第2展示室、解散命令後の証言映像を見ることができる第3展示室、そして第4展示室は壁面にかけられた遺影と生存者の証言集が展示されている。
平和への願いが込められた資料館
第1展示室はひめゆりの愛称で親しまれていた2つの学校が軍事化されていく過程を展示。第5展示室からは中庭の花々を見渡せる明るい空間となっており、それまでの展示を回想して感想を記す場所。2004年に増設された第6展示室は平和について語りあう空間となっている。館長の想いの深さとひめゆり学徒の想いをあらためて感じることができるだろう。