レトロモダンな景観は昼夜問わず美しい
倉敷美観地区は1642年、江戸幕府の直轄領地となったことをきっかけに栄えていった。倉敷川河畔は周辺で採れる米の集散地としてにぎわい、のちに商業の中心として発展。日本の伝統的な建築様式、白壁の蔵造りやなまこ壁の建物が特徴的だ。明治時代に洋風建築のモダンな美術館や建物も加わり、独特の雰囲気あふれる町並みを形作った。町の中心部を流れる倉敷川沿いには白壁の建物が建ち並び、新緑の季節には柳並木とのコントラストが美しい。美観地区では川舟も運航しており、川から眺める町並みはまた違う表情を見せる。夜は10時までライトアップも行われ、昼とは異なる落ち着いた雰囲気に包まれる。
当時の町並みを残しながら今も息づく町
美観地区は今でも多くの人が暮らす。倉敷川から道1本隔てた本町エリアには古民家や町家を改修したカフェやギャラリー、居酒屋などが建ち並び、賑わいを見せている。また世界的名画を収蔵した「大原美術館」をはじめ、米蔵を改修した「倉敷考古館」や「倉敷民芸館」など文化施設も多い。紡績工場を改築した「倉敷アイビースクエア」はホテルを中心とした複合施設。ツタのからまる赤いレンガが目をひく敷地内には陶芸ができる体験工房も。中庭では夏限定でビアガーデンをオープン。クラシカルな建物で開放的な雰囲気を味わえると人気だ。和と洋が絶妙なバランスで混ざりあう町はのんびり散策しながら当時を思い、今の時代も楽しめる不思議な魅力がある。