斎王制度によりつくられた都市
伊勢神宮領の北西にある斎宮は伊勢神宮に仕える斎王のためにつくられた宮殿と役所があった場所。天皇に代わって主祭神、天照大神に仕える斎王は歴代の未婚の皇女がつとめており、60人にものぼる。国の平安と繁栄を願って日々祈りを捧げていた。調査によると斎宮は碁盤の目状に道路がはしり、100棟以上の建物が建ち並ぶ整然とした都市で、代が変わるごとに新しく造営されていたことがわかっている。斎宮には役所を運営する官人や斎王に仕える女官など500人以上が暮らしており、明和町は日本で斎宮が存在した唯一の場所。
斎宮で営まれた雅やかな暮らし
660年続いた斎王制度がもっとも栄えていたのは平安時代。日本独自の貴族文化が生まれた時代で、斎宮でも当時の都、平安京さながらの優雅な暮らしが営まれていた。斎王が伊勢神宮へおもむくのは1年に3回。天照大神に大玉串を捧げるという祭祀を執りおこなうべく、6月、12月の月次祭と10月の神嘗祭に3泊4日の日程で行われ、伊勢神宮でもっとも重要なお祭りとされていた。現在の斎宮では、毎年6月に斎王まつりを開催。選ばれた斎王が都から斎宮へ向かう様子を再現した斎王群行が最大の見どころ。
国指定の史跡で日本遺産にも初認定
斎宮跡は面積約140haにおよぶ大規模遺跡。敷地内には平安時代の建物を復元したさいくう平安の杜や、発掘調査で見つかった出土品が展示されている斎宮歴史博物館、平安時代を体験できるいつきのみや歴史体験館のほか、斎王の森、斎宮跡歴史ロマン広場などがある。1979年に斎宮跡として国の史跡に指定されているほか、2015年には斎王・斎宮に関するストーリーが「祈る皇女斎王のみやこ・斎宮」として初の日本遺産に認定されている。
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