まるで“地球のエネルギー”を目の当たりにするような天然の湯の迫力
「須川高原温泉」は、標高1627mの栗駒山の中腹、1126m地点にある大規模な温泉施設だ。毎分6000ℓもの湯が湧き、日本屈指の湯量を誇る。施設で最も人気がある「大露天風呂」は、頭上に空が開け、目前には大岩がダイナミックにそびえ、山ならではの開放感溢れる温泉が楽しめる。湯は加水による温度調整がない100%天然かけ流しの湯。少し熱めの湯に浸かれば、山のエネルギーを全身で感じることができるだろう。近隣には荒い岩肌がむき出しになった溶岩や、湯が湧き出る源泉などが見られ散策にもいい。ここからは栗駒山への登山道もある。栗駒山は150種類以上の高山植物や原始林、峡谷、湖沼・高原地帯など、貴重な景勝の宝庫でもあるため、登山やトレッキングの基地として利用する者も多い。
長い歴史の温泉施設で種類豊富な風呂が楽しめる
須川高原温泉の歴史は1100年前の歴史書に描かれたことが始まりで、300年前の江戸時代には、温泉療養地として人々に親しまれるようになっていた。強酸性の湯は青みがかった濁り湯で、胃腸病、婦人病、呼吸器病によいと言われている。風呂の種類は大浴場、大露天風呂、大・小の内湯のほか、火山蒸気の熱で温まる天然蒸し風呂がある。また、源泉からだくだくと溢れる湯が流れ出て川となり、天然の湯の川に足をつけ温まる「足湯」も人気だ。宿泊施設は一般観光客向けのホテルタイプの客室ほか、長期滞在し療養用の自炊の宿泊施設がある。日帰り入浴のサービスには休憩所が完備されており、宿泊せずともゆったりくつろぐことができる。冬期は雪のため長期休館となるので注意を。