三次の冬の風物詩
四方を山に囲まれた三次盆地は江の川、西城川、馬洗川など中小の河川が変化にとんだ川筋を描く。この河川から蒸気となって発生する多くの水分が霧となって盆地にとどまるため「霧の海」という現象が現れる。秋から早春にかけての早朝に見られ、ときには昼頃まで霧に包まれることもある。寒くなるほど霧につやが出るため、特に冷え込んだ初冬の早朝の日の出とともに色を変える霧は息をのむほど美しい。島が浮かんでいるように見える山々も消えては現れを繰り返し、幻想的で神秘的な風景は早起きをしてみる価値は十分にあるだろう。
霧の海を堪能できる山々
シーズンは11月から3月頃までで標高400m以上の山から見ることができる。メディアの取材もたびたび訪れるという高谷山山頂にある「高谷山霧の海展望台」は霧が出ない日でも市街地を一望でき、夜景スポットとしても人気だ。また登美志山山頂の展望台からは360度の大パノラマを見ることができる。中腹にある「とみしの里」ではコテージやバンガローなどの宿泊施設のほか、レストランやバーベキューハウスも併設している。ほかにも岡田山や岩屋寺から展望することができる。
日常的に見ることができる光景
三次では霧の海が見えることは特別なことではない。自然現象のため霧の濃さなどの違いはあるものの、多少曇っていてもふわりとヴェールをかけたような霧を見ることができる。天気と日の出の時間を確認し、防寒対策をしっかりとって30分ほど前から待機したい。