間近に迫る秘境「黒部峡谷」をトロッコが走る
中部山岳国立公園にある黒部峡谷は、立山連峰と後立山連峰の間を流れる黒部川によって深くV字に浸食され、その勾配が作り出す独特な景観が美しい。深くえぐられた谷にかかる陸橋を、トロッコ電車が走る。通称“くろてつ”と呼ばれ、多くの鉄道ファンを魅了する黒部峡谷鉄道である。宇奈月駅から欅平駅までの、およそ20kmの区間を約80分かけて運行し、短い区間でありながら、秘境の自然がそのままに残され、目前に広がる大パノラマを満喫できる。
好みで選べる3種の客車
客車の種類は三つ。通常の「普通列車」の他に、「特別客車」と「リラックス客車」に追加料金を支払って乗車することができる。トロッコ電車に屋根が付いた「普通客車」には窓がなく、ダイナミックな風景を開放感いっぱいに楽しむことができる。寒い季節には「特別客車」を。窓があるので風や寒さがしのげるので快適だ。窓付きで、更にスペースにゆとりを求めるなら「リラックス客車」を。横一列3人掛けでゆったり車窓が楽しめる。
各駅の魅力あふれる風景とアクティビティ
温泉郷としても有名な始発駅「宇奈月駅」、深い谷が連続し険しい自然美を見せる「黒薙駅」、ダイナミックな断崖の風景と万年雪が見られる展望台、また、川沿いの露天風呂温泉“河原温泉”が有名な「鐘釣駅」、そして終点「欅平」には、ビジターセンターがあり、様々なトレッキングコースや温泉も多いのでレジャーに最適だ。中でも「鐘釣駅」の“河原温泉”、「欅平駅」の“祖母谷温泉”は、河原を掘れば温泉が湧くため、自分で堀って作る手作り温泉が人気である。