風光明媚なアルプスの懐に作られた巨大ダム
北アルプスの山々に囲まれ、豊かな水量で年間約10億kWhの電力を作り出す黒部ダム。1956年に建設が始まった当時にして513億円の巨費を投じ、約1000万人の労働者が従事し、7年の歳月をかけて作られた。ダムの高さは186mで日本一を誇り、総貯水量は約2億㎥。石油輸送用超大型タンカー1000隻分に相当する。日本屈指の美観を誇る中部山岳国立公園にあることから、立山黒部アルペンルートのハイライトとして多くの観光客が訪れる観光名所となっており、特に6月26日から10月15日までの期間には毎日放水が行われ、大量の水が放出され、水煙を上げながら凄まじい勢いで流れ落ちていく様子は必見。大自然と人工建造物の作り出す風景が壮観だ。
ダム周辺地域の自然散策も魅力
巨大なアーチを描くダムと、その放水風景を楽しむための絶景ポイントは二か所ある。220段の階段を上ったところにある「ダム展望台」からは、高い位置から黒部ダムの全景が見晴らせる。一方「新展望台」からは、近距離から見るダム、と大迫力の放水を目の前で見ることができる。ダム見学の後は周囲の自然も楽しみたい。ダム建設によってできた人造湖「黒部湖」では、黒部遊覧船「ガルベ」が運行され、日本で最も高所にある遊覧船クルーズが楽しめる。また、黒部湖畔に沿って「殉職者慰霊碑、」「カンパ谷の吊橋」、「ブナの原生林」、樹齢800~1000年の巨木「クロベ」などをポイントに、一時間ほどで回れる然散策路があり、四季折々の美しさを見せる黒部ダムの豊かな自然を満喫することができる。