人々の生活が息づく静かな合掌造り集落
五箇山にある「相倉合掌造り集落」は、山間の自然に囲まれた合掌造りの家並みが美しい名所だ。23棟ほどの合掌造りが現存し、中規模ながら世界遺産に選定された、素朴で落ち着いた山里の風景を愉しむことができる。豪雪から家屋を守るための知恵が生かされた急傾斜の茅葺屋根は、人が手を合わせて祈る姿(合掌)にたとえられている。江戸時代から続くと言われる風景の主役、合掌造りの家々は、築100年から200年の家屋を中心に、古いものは築400年の家が丁寧に保存され、今なお人々が生活し続けている貴重な集落である。
建物や資料が伝える「相倉」の歴史と暮らし
「相倉民俗館」や「相倉伝統産業館」では、昔ながらの自給自足の農耕生活を伝える道具や、地域の伝統工芸「和紙生産」の資料を見る事ができる。その他、集落に住む門徒が集まり仏事を営んだとされる「西方道場」「相念寺」、合掌造りの原型と言われる「原始合掌造り」などがあり、貴重な資料や建造物から、相倉集落の古い時代の暮らしぶりを知ることができる。また、駐車場から5分ほど坂を登った高台からは、集落の全景が見晴らせ、絶好の撮影ポイントとして知られている。
合掌造りの家に泊まり、心温かな民宿体験を
相倉集落には合掌造りの民宿が7つある。それらの宿に宿泊すれば、合掌造りの生活をより身近に感じることができるだろう。高い天井や、太い梁が渡る美しい室内、囲炉裏を囲んで過ごすくつろぎの時間、地元食材による郷土料理など、どれもが特別な体験だ。また、夜には集落がライトアップされ、幻想的な灯りに包まれる格別な風景も楽しむことができる。*ライトアップ日程は不定期につき要事前確認を