神田祭の由来と歴史
神田祭とは、東京神田にある神田明神で行われる祭礼。およそ1300年の歴史をもつ神田明神では、江戸時代において江戸の街の守護神として崇められた。その後の祭の起源についてはあきらかではないが、1600年の乱世の時代に、徳川家康が戦勝祈願に毎日祈祷を命じ、家康の勝利によって天下統一が果たされたことで神田明神が江戸幕府の庇護を受けるようになった。以来、神田祭は将軍徳川家ゆかりの祭として盛大に執り行われるようなった。
”日本三大祭り““江戸三大祭”に数えられる神田祭
神田祭は毎年5月に行われ、2年に1度の奇数年は本祭として規模も大きく盛大に執り行われる。その年によって開催日程は前後するが、5月15日をはさみ約一週間かけて様々な行事が行われ、江戸時代から続く由緒正しい祭りは熱気であふれる。“江戸三大祭り”だけでなく“日本三大祭”として京都の祇園祭、大阪の天神祭にならぶ神田祭は、全国から観光客も訪れ大いににぎわう。なかでも、最も熱気を帯びる「神輿宮入」の日には、100基の神輿が神田明神から街へ繰り出し、軽快な笛や太鼓の音、人々の威勢の良い声が夜までつづく。
ユニークな山車や行列
神田祭は不景気や戦争時には山車の行列がなくなるなど、時代の状況の影響を受けた。しかし、近年では華やかさを取り戻しつつあり、江戸時代に出された華やかで大きなオブジェを乗せた「曳き車」の復活、武者行列、インターネットによる祭りの配信など、盛り上がりを見せる。和太鼓や薪能など様々な奉納行事にあふれ、江戸を守る神への感謝にあふれた様々な行事は、日本の伝統文化を知る貴重な見どころだ。