日本最古のアーチ型石橋
1634年、興福寺の唐僧黙子如定禅師によって架けられた橋。長さ22m、幅3.65m、川面までの高さ5.46mで日本初のアーチ式石橋で、その石橋技術は全国の規範となった。川面に映った影が双円を描き、「メガネ」に見えることから、眼鏡橋と呼ばれるようになり、『日本橋』『錦帯橋』と並び日本三名橋の一つとして名高く、国の重要文化財に指定されている。1647年の大洪水で崩流、翌年に平戸好夢によって修復されたが、1982年の長崎大水害で半壊し、翌年に修復され現在に至る。現在も日常生活で利用される人道橋として活用されている。
合わせて訪れたい中島川石橋群
眼鏡橋建設以降も、中島川の上流から下流までの5キロほどの短い川に、18橋もの石橋が架けられ、他に例を見ないほど過剰に作られた。当時、キリスト教禁教の時代だった為、唐文化の導入により興福寺などの仏寺が次々と建立され、これらの橋は、僧侶、商人などの個人の財力で造られ、長崎が鎖国時代唯一の外国貿易港であり天領であった豊かさが感じられる。現在は、眼鏡橋以外には中島川沿いの、阿弥陀橋、高麗橋、桃渓橋、袋橋が市指定文化財となっている。近年になり、水害対策のため中島河川改修工事が行われた際に組み込まれた、眼鏡橋と魚市橋の左川岸の石組みのなかにハート型の石が3個埋め込まれており、愛を願うパワースポットとして人気を集めている。眼鏡橋周辺には長崎名物の老舗カステラ店が多く並んでいる。散策のついでに立ち寄るのも楽しい。