仙台の歴史と仙台藩主伊達家にまつわる名品の数々
仙台は伊達政宗が築城以来、城下町として栄え、国宝、重要文化財、国史跡の仙台城跡など、伊達家ゆかりの旧跡を残す美しい街として有名だ。仙台城三の丸跡にある「仙台市博物館」では、伊達家から寄贈された文化財を中心に、宮城、仙台の歴史や文化にまつわる美術品や歴史資料を所蔵し、およそ90000点の収蔵品を季節ごとに入れ替えながら展示、随時約1000点の収蔵品が公開されている。古文書、絵画、浮世絵、武具、陶器などを始め、歴史的に貴重な資料や絵図など幅広い収蔵品を誇っている。
至宝、伊達家のコレクション
豪壮華麗な文化が花開いた桃山時代に、文化の中心地であった京都や江戸で過ごした伊達政宗は、磨かれた美意識を多くの具足や衣類など身の回りの物や建物に投影した。博物館では政宗の卓越したセンスが反映された収蔵品を多く所有し。中でも重要文化財「黒漆五枚胴具足」は、黒い甲冑に金の前立てを施した斬新なデザインで見る者を圧倒する。「黒漆五枚胴具足」の公開は期間限定につき、来館の際は事前確認を。
慶長遣欧使節の残した歴史的遺産も陳列
1613年、伊達政宗の命により仙台藩とスペインとの通商交渉などのために派遣された「慶長遣欧使節」の持ち帰った歴史的価値の高い資料が保存されている。ローマで描かれた「支倉常長像」や「パウロ5世像」、ローマ市議会が支倉常長に与えた「ローマ市公民権証書」などは、日本の外交とキリスト教の歴史を語る貴重な資料としてユネスコ記憶遺産に登録されている。