天皇家とゆかりの三千院
788年に最澄が延暦寺を建立した際に東塔南谷の梨の大木の下に草庵を設けたことが三千院の始まりといわれている。その後、皇子皇族が住持する宮門跡となり、比叡山から近江坂本、京都市と移転を繰り返し、明治維新後の1871年に大原政府所を本殿と定め、三千院と名付けられた。
三千院の見どころ、聚碧園と有清園の庭園
石垣に囲まれた御殿門の中は静寂の世界が広がり、ゆっくりとした時間が流れる。春は桜、初夏はあじさい、秋は紅葉、冬は雪と四季折々の風情を楽しめる。2つの異なる庭園は心落ち着く美しい眺め。客殿の前の絵巻物のような聚碧園は、江戸時代に茶人 金森宗和(かねもりそうわ)が客殿から見た自然の風景に感動して自ら手を加えた庭園。立体感を感じる景観になっており、客殿からゆっくりと聚碧園を眺めることができる。宸殿前の雄大な庭園 有清園では、池泉の周りには青苔にスギ、ヒノキ、ヒバが立ち並び、園内のところどころにわらべ地蔵が訪れる人々をあたたかく見守っている。地蔵様は迷いの世界で人々を救うと伝えられている。有清園には福寿延命で知られる金色水があり、弁天池にしたたり落ちる金色水に手を濡らして福寿延命を願うと良いとされている。財産や芸能の神様である弁財天も祀られている。本堂の往生極楽院の堂内には、大和座りといわれる珍しい、金色の阿弥陀三尊が祀られており、極楽浄土の神々しさを感じられる。