1200年前と変わらない美しい景色
天皇の離宮として建立され、875年に寺に改められる。境内にある大沢池は日本最古の人工庭池で周囲1kmに渡り桜や楓が約650本、3000株もの蓮が自生しており、1200年前と変わらない美しい景色を楽しめる。大沢池の菊ヶ島にある菊を嵯峨天皇が花瓶に挿され、自然を慈しんだことからいけばなが生まれたといわれており、大覚寺に嵯峨御流の華道総司所(家元)が置かれている。大沢池は「日本三大名月観賞地」としても知られており、9月に「観月の夕べ」が行われ、舟に乗り池の上からお月見を楽しむことができる。11月、12月には夜間拝観が行われ、本堂と大沢池がライトアップされ、美しい紅葉の景色を眺めることができる。天皇専用の門「勅使門」は木造で装飾に漆や金が施されている。境内の建物はすべて回廊「村雨の廊下」でつながっており、敵が来るとわかるように歩くとギシギシと音がなる仕組みの鴬張りの床で、刀を振り回せないよう天井は低く作られている。「宸殿」には狩野山楽による「牡丹図」「紅白梅図」「柳松図」の美しい金色の襖絵が飾られている。「正寝殿」には墨絵山水の障壁画や襖絵が飾られている。本堂である「五大堂」には不動明王を中心とする五大明王が安置されており、ここからの大沢池の眺望がすばらしい。また、大覚寺は嵯峨天皇の写経が奉祀されており、心経写経の道場としても知られている。拝観時には随時写経体験ができる。