鹿児島の壮大な景観と歴史文化を楽しめる庭園
1658年に薩摩の大名、島津家によって築かれた別邸。50000㎡の広大な敷地を誇り、鹿児島の名所である錦江湾や桜島(火山島)を庭園の借景にとりいれ、大自然と調和した雄大な景色が楽しめるのが最大の魅力で、国の名勝にも指定されている。園内には奇岩奇石が多く、中国龍虎山の仙巌に似ていることから「仙巌園」と名付けられた。南の玄関口といわれた薩摩らしく中国文化の影響が色濃く見られ、また、温帯と亜熱帯の境に位置することから珍しい植物が見られる。江戸時代末期から近代にかけては、薩摩藩・鹿児島県の迎賓館の役割を果たし、国内外の数多くの要人が訪れた。園内やその隣接地は日本初の工業地帯、集成館の跡地でもあり、近代日本の技術力、工業力の原点ともいえる地としても知られる。園内の史跡や島津家の歴史を説明してくれる園内ガイドツアーでは、中国語、英語の話せるスタッフもいる。また、入園料には庭園見学とあわせて、島津家の歴史・文化と集成館事業を紹介する博物館「尚古集成館(しょうかしゅうせいかん)」の見学も含まれる。写真や図面、発掘などをもとに再現された反射炉や琉球船の模型、工事操業時の雰囲気を醸し出す機械展示コーナーが見どころだ。
宝石のように美しいガラス工芸薩摩切子
園内にある登録有形文化財のレトロな雰囲気の洋館を利用した『磯工芸館』では、鹿児島の伝統ガラス工芸品「薩摩切子」を展示販売し、隣接する薩摩切子工場では制作風景を見学することもできる。日本美の神髄を感じられる繊細なガラスカット技術と美しいグラデーションが素晴らしい。