民話の里「遠野」に再現された伝統の農村生活
「遠野ふるさと村」は、実物の古民家を移築し、遠野に伝わる古き良き時代の農村風景を再現した野外博物館だ。遠野地方独特のL字に曲がった家“南部曲り家”など、移築し復元された古民家7軒は、いずれも江戸時代から明治時代に建てられた本物の民家で、室内には囲炉裏があり、母家につなげて作られた厩舎を持つ独特な家屋など、遠野ならではの農村生活が体験できる。屋外には水車が回り田園が広がり、ゆっくりとした時間が流れている。
遠野に伝わる「手作りプログラム」で遠野の暮らしを体験
地元のお年寄りが丁寧に伝統の民芸品や料理など、郷土に伝わる様々なもの作りを指導している。この地方に伝わる、藁や竹を使った工芸品や、草木染め、陶芸体験教室のほか、蕎麦やもち、郷土料理などを作るコースなどもあり、遠野の豊かな自然の中での農村生活体験は格別だ。ビジターセンターでは体験プログラムの受付、ライブラリーなどがあり、レストランも併設され郷土料理を食べることができる。
”遠野らしさ“を実感する伝統のイベント
「遠野ふるさと村」では、一年を通して多くの伝承行事が行われる。春の到来を祝う「春風祭り」に始まり、大型連休のある5月には「春物語」と題して、郷土芸能の「獅子踊り」が披露される。6月には農作物につく虫を追い払う「うまっこつなぎ」や、台風の季節に無事を祈願する「雨風祭」など、農村ならではの行事が多いことも興味深い。11月に開催される「どべっこ祭り」は、地元で作った“どぶろく”と呼ばれる酒を味わう祭りで、古民家で実演される神楽を観たり、郷土料理をいただき楽しむことができる。