大自然がつくり出した造形美
上信越高原国立公園内にある鬼押出し園は、1783年の浅間山大噴火によってあたり一面が溶岩におおわれた自然公園。「火口で鬼が暴れ岩を押し出した」という噴火の印象から“鬼押出し園”と名付けられた。点在する見晴台からは、標高2568mの浅間山をはじめ、北アルプス連峰や谷川連峰、日光男体山などを一望することができ、漆黒の溶岩とのコントラストはここでしか見られない独特な光景だ。
真っ黒な大地に色とりどりの花が咲く遊歩道
園内には4つの遊歩道が整備。5月中旬から10月下旬まではシャクナゲやコマクサなどの高山植物や、光が反射してエメラルド色に光るヒカリゴケを目当てに多くの観光客が訪れる。時間に余裕のある場合は表参道、裏山道のほか、炎観音がある奥の院参道や北アルプス連峰を一望できる高山植物観察コースを散策するのもいいだろう。園内中央には東叡山寛永寺の別院、浅間山観音堂があり、浅間山の大噴火で犠牲になった方々を供養するために建てられている。
アトラクションも楽しめる浅間火山博物館
鬼押出し園に隣接する浅間火山博物館は1993年にリニューアル。2台のキャラクターロボットが浅間の由来などを分かりやすく説明してくれる。日本や世界の火山分布がリアルに再現され、探査船に乗り込んで浅間の地下の様子や恐竜時代からの日本列島の成り立ちなどを疑似体験できるアトラクションもある。火口監視カメラでは浅間山の現在の様子が観察でき、火山の仕組みが楽しく理解できるようになっている。