岩が吹き割れたように見える吹割の滝の力強い姿
浸食されたV字型の溝に落差約7m、幅約30mにわたって流れ落ちる吹割の滝。1万年以上の長い年月をかけて岩盤の裂け目をつくり出したといわれている。巨岩を浸食していくことで多数の割れ目が生じ、岩が吹き割れたように見えることから吹割の滝と名づけられた。この滝の魅力は至近距離から眺めることができるところ。滝のすぐ隣にある岩場から見下ろす滝は迫力満点で、轟音と水しぶきを間近で感じることのできる数少ないスポットだ。
神秘的な伝説が伝わる滝のものがたり
吹割の滝はその昔「竜宮」に通じているといわれていた。竜宮とは日本の昔話に登場する深海の底にある宮殿のこと。村でおこなわれる行事のための椀を借りるため、滝に手紙を投げ込むと、前日には頼んだ数の椀が岩の上に置かれていたのだとか。一度だけ椀を返し忘れてからは二度と貸してくれなくなったという言い伝えがあり、返却していない椀は今でも村で大切に保管されているという神秘的な伝説も残っている。
変化に富んだ渓谷美を楽しめる遊歩道
周辺は吹割渓谷遊歩道が整備されている。吹割渓谷の下流部にある落差15mの鱒飛の滝や鬼気迫る表情の般若岩のほか、10m以上の奇岩が連なる岩壁群には圧倒される。そのほか、新緑や紅葉などの渓谷美を一望できる浮島橋や川の真ん中にある浮島にある浮島観音堂など、見どころが点在。観爆台は3つあり、さまざまな角度から滝を望むことができる。