ユネスコ世界自然遺産に登録される山岳地帯
青森県南西部から秋田県北西部に広がる標高1000m級の山岳地帯「白神山地」は、約8000年~12000年前から北日本の丘陵や山地を覆っていたブナの原生林が残存する貴重な地域として、1993年に日本初のユネスコ世界自然遺産に登録された。「人の影響をほとんど受けていない原生的なブナ天然林が世界最大級の規模で分布」(世界遺産登録理由)と語られるように、手つかずの自然が残り、貴重な生物も数多く生息する聖域として「天然の博物館」と例えられ、厚く保護され続けている。
太古の原生林をトレッキング
広大な地域全体が自然の宝庫であり貴重な遺産であるため、真の姿を知るには登山の技量や核心地域への入山許可申請などが求められる。しかし、一般観光客に開かれたトレッキングコースも整備され、その魅力を十分堪能することができる。3つの滝からなる「暗門の滝」、大小33の湖沼群からなる「十二湖」、登山道が整備された「白神岳」などは、一般旅行者が無許可でトレッキングが可能。ブナの原生林や神秘的な紺碧の湖沼群、深い渓谷の高低差が生むダイナミックな滝など、大自然を堪能できる。
「白神山地」を楽しむために
「白神山地ビジターセンター」では、白神山地の自然や生態系を説明した模型や大型スクリーンのビデオ上映でその魅力を紹介している。外国人旅行者のための英語パンフレットもあり、トレッキングコースの相談など情報収集ができる。安全のため、一般旅行者が入山可能な地域においても、トレッキングにふさわしい服装や靴などで出かけるように。11月下旬から4月下旬頃の冬季は閉山規制中につき要注意。