男鹿に伝わる伝統行事「なまはげ」
大晦日の晩、鬼のような恐ろしい姿で民家を訪れ、「うぉー!」と奇声をあげ家の中に入り「なまけものはいないかあ!」と大声をあげながら荒々しく家の中を歩き回る「なまはげ」。山の神の使いとされているが、手には大きな包丁を持ち、その姿は恐ろしい。家の中で荒れ狂うなまはげをなだめるために、家の主人はなまはげたちを食事や酒で丁寧にもてなす。そして主人との問答がなされた後、なまはげたちは翌年の農作物の豊作や、子供たちの健康や怪我のない一年を祈願し、「また来年も来るぞ!」という言葉を残して家を出ていく。この行事は重要無形民俗文化財に指定され、毎年、大晦日の晩に男鹿半島のほぼ全域で行われる伝承行事だ。テレビでも全国に紹介され、雪景色の大晦日の夜の、なまはげの訪問に泣き叫ぶ子供たちの様子は秋田地方の風物詩にもなっている。
「なまはげ」行事を忠実に伝える伝承館
男鹿真山伝承館では、この地方の典型的な茅葺屋根の民家「曲家」(まがりや)を再現し、臨場感あふれる「なまはげ行事」が一年中体験できることで人気だ。特に真山地区は、古い伝統としきたりを厳粛に受け継ぎ、忠実に再現しながら後世に伝え続けていることで有名で、伝承館で再現されているのは真山地区の「なまはげ」。また、なまはげにまつわる風俗や農具類などの民俗資料の展示もあり、昔の人々の暮らしを学ぶこともできる。同敷地内に「なまはげ」を詳しく紹介する博物館「なまはげ館」もあるので合わせての見学がお薦めだ。