貴重なコレクションと美しい景色を堪能しよう。
JR熱海駅からバスで急な勾配を7分ほど登った先にあるMOA美術館。宗教家でもある創立者岡田茂吉のコレクションを基盤に、国宝3件、重要文化財65件、重要美術品46件を含む約3500件を所蔵している。充実した美術館の展示内容もさる事ながら、ロケーションの素晴らしさでも有名。メインロビーからは初島や伊豆大島、房総半島から三浦半島、伊豆半島まで180度の大パノラマを堪能できる。
国宝や重要文化財など、貴重なコレクションを見学
美術品を展示する本館は、3フロアから構成される。9つからなる展示室では、国宝をはじめ重要文化財や重要美術品を展示。その内容は、絵画、書跡、工芸、彫刻など多岐に渡る。特に日本および中国をはじめとする東洋美術は、美術的価値および研究対象としても貴重と評されている。コレクションの中でも特に有名なのが、尾形光琳筆「紅白梅図屏風」(国宝)。日本人であれば一度は教科書で目にしたことがある、日本美術の最高傑作だ。後に「琳派」と呼ばれることになった装飾的な技法は、後世の日本美術のみならず、200年後のクリムトにも大きな影響を与えたと言われている。しかしこちらの作品が見られるのは、毎年2月から3月までの1ヶ月間のみ。常設展示ではないので注意しよう。
本館以外にも、見どころがいっぱい!
美術品の数々を鑑賞した後は、茶室「一白庵」で一服するのもおすすめだ。 設計は、ワシントンにある日本大使館の茶室も手がけた茶室設計の第一人者、江守奈比古氏によるもの。立礼席にて、MOA自然農法産のお抹茶と和菓子を楽しむことができる。一白庵の周りには、尾形光琳の屋敷を復元した「光琳屋敷」や移築・復元された古門「唐門」「片桐門」などの見どころが点在。江戸時代へタイムスリップしたような気分が味わえる。