天然の造形美を誇るリアス式海岸の名勝
三陸海岸南部、三陸復興国立公園に属する碁石海岸は、海岸線に沿って6kmに渡り複雑に入り組んだリアス式海岸の景勝が美しい観光地だ。三陸海岸独特の奇岩が海に突き出すダイナミックな風景や、碁石海岸ならではの磨かれた石の浜辺など、太古の昔から少しずつ作り上げられた地形による天然の造形美を堪能できる。遊歩道には赤松の林が続き日本の海岸線独特の情緒を湛え、春の桜、夏のラベンダー、冬から春には椿などの花の風景も見られ、碁石海岸の景色をいっそう優美にひきたてる。整備された遊歩道を歩き絶景を楽しむほかに、近隣にはキャンプ場や案内所、レストハウスも整備され快適に過ごすことができる。
碁石海岸に点在する個性あふれる名勝の数々
碁石海岸の代表的な景勝「穴通し磯」(あなとおしいそ)は、海に浮かぶように立つ奇岩に、海水の浸食により作られた3つの穴の造形が神秘的。もうひとつの絶景「乱曝谷」(らんぼうだに)は、海食によって鋭く浸食された高さ30mを超える絶壁がそびえ、南側にある巨岩「雷岩」(かみなりいわ)の洞穴からは雷鳴に似た波音が聞こえてくる。これは、海から流れ込んだ海水が洞穴に当たり轟音を響かせるもので「残したい日本の音風景100選」に選ばれている。2011年の震災以降、その音はかつてほど響かなくなったと言われるが、その景観美は健在である。また、波で洗われ角のない丸く磨かれた黒い玉砂利の海岸「碁石浜」(ごいしはま)など、他にも起伏に富んだ様々な景勝を楽しむことができる。