碓氷峠は、和田峠や太田の渡しなどと共に中山道の難所として古くから知られており、「日本書紀」には、日本武尊が越えた碓日坂として登場し、「万葉集」には防人の歌が詠まれるなど、古来からの交通の要衝として有名。大名行列などが通過するころは、箱根と並ぶ大きな関所もおかれた。碓氷峠は、頂上付近ではわさびも栽培されるなど自然の宝庫であると共に、日本でも有数の霧の多発地帯でもある。霧の碓氷峠は、中山道のなかでも最も神秘的な風景のひとつ。碓氷峠の山頂には、長野県と群馬県にまたがる熊野神社(熊野皇大神社)が鎮座しており、中山道を往来する旅人の安全を見守っている。