高山市の奥座敷とも称される、情緒あふれる城下町
高山市からJR高山本線に揺られること約20分。飛騨古川は、今もなお碁盤のような町割りや古い町家が残る城下町だ。飛騨古川を代表する景色といえば、中心地を流れる瀬戸川沿いだろう。500ｍに渡る白壁の土蔵を背景に流れる瀬戸川を1,000匹余りの色とりどりの鯉が泳ぐ光景は、訪れる人々を魅了し続けている。しっとりとした風情を満喫したあとは、伝統工芸に触れてみてはいかが。「三嶋和ろうそく店」は240年以上続く、全国でも数少ない手作り和ろうそくの老舗。原料すべてが天然の植物性で、ススがでにくく風が吹いても消えにくいのが特徴だ。店内の作業場では、ご主人の説明を聞きながら和ろうそく作りの実演を見学することもできる。お正月やお祝いの席で使われる鮮やかな朱ろうそくはインテリアにもぴったり。お土産にもおすすめだ。
名水が育んだ美酒の数々に、酔いしれよう
北アルプスの雪解け水など名水に恵まれる飛騨古川は、美味しい酒処としても有名。壱之町通りには「蒲酒造場」と「渡辺酒造場」という、飛騨を代表する2つの造り酒屋がある。「蒲酒造場」は創業300年以上を超える名店。「白真弓」、「やんちゃ酒」をはじめ、シャンパンのような喉越しの「じゃんぱん」など幅広い品揃えで人気だ。建物自体も国の登録有形文化財にも指定。飛騨古川を象徴する景観の一翼を担っている。事前に予約をすれば、酒造りをしている蔵の中の見学や試飲も可能。歴史ある建物と美酒の数々を楽しむことができる。「渡辺酒造場」もまた、1870年から酒造りを始めた老舗。北アルプスの伏流水と酒造好適米・ひだほまれで作られる「蓬莱」は、キレとまろやかさとをあわせ持つ深い味わいが特徴。こちらも試飲が可能なので、ぜひ試してみたい。
