国三重指定を受けた貴重な戦国時代の史跡群
静かな里山の風情が広がる「一乗谷朝倉氏遺跡」は、戦国大名・朝倉氏が103年に渡り支配を続けた場所だ。最盛期には人口1万人を超え、華やかな文化が栄えたという。しかし、戦国の世において敗北、火を放たれすべてを焼失した。その後、1967年に本格的な発掘調査が始まり、長い間埋もれていた町、当主の館・武家屋敷、庭園、寺院、町屋、職人屋敷、道路などが、ほぼ完全な形で発掘された。現在は国の特別史跡、4つの庭は国の特別名勝、遺跡出土品は国の重要文化財に指定され、京都の「金閣寺」や広島の「厳島神社」等に並ぶ、国の“三重指定”を受けた、国内でも貴重な史跡として保存されている。
戦国時代をリアルに感じる名所を散策
「一乗谷朝倉氏遺跡」では自然の中の遺跡を巡り、戦国時代にタイムスリップしたような散策が楽しめる。
唐門
のどかな山間の風景に、ひときわ目を引く気品に溢れる唐門。しかし、これは戦国時代の物ではなく、江戸時代前期の建築で、豊臣家による移築寄進の物と伝えられている。
庭園
戦国時代に作られたとされる4つの庭園がある。中でも「湯殿跡庭園」は最も古く、巨大石が数多く使われた荒々しい石組みなど、戦国時代の気風が表れた豪壮な趣を持つ。また、「諏訪館跡庭園」は広い回遊式庭園になっており、4mあまりの巨石が配されたダイナミックな景観などが鑑賞できる。
復原町並
発掘された石垣や礎石を利用し、資料や出土品をもとに、武家屋敷、庶民の町屋などの町並みを再現、ほぼ完全な形で復原した。町では戦国時代の装束の着付体験もでき、復元された町並みをバックに写真撮影も楽しいだろう。